二百十日
立春から210日目は台風が多い厄日”という昔のいい伝えから「二百十日(にひゃくとおか)」といわれています。その
ため、昔から農家や漁師が恐れている時期です。この時期に発生する台風には、夏と秋の台風があり、それぞれに違
った警戒ポイントがあります。まず「夏の台風」は、「強い太平洋高気圧」が日本列島に張り出してきて、バリアのように
覆ってしまいます。そのため、台風を吹き流す偏西風が、列島の北側で吹きます。まず「夏の台風」は、「強い太平洋高
気圧」が日本列島に張り出してきて、バリアのように覆ってしまいます。そのため、台風を吹き流す偏西風が、画像のよ
うに列島の北側で吹きます。そうすると、その弱まった場所から台風が本州に近づいてくるということがあります。つまり
、夏台風の特徴は「日本に近づきやすく、移動速度がゆっくり」。
一方「秋の台風」は、9月に入り高気圧が弱まることで、画像のように偏西風が日本本州付近まで南下してきます。そ
のため台風は、沖縄付近まではゆっくり動き、九州から北海道にかけては風に乗ることにより、いきなり速度が速くなり
ます。過去には、時速90キロを記録したこともあるんです。「秋の台風」は”スピードがいきなり早くなり、突然暴風雨が
発生する”という特徴があります。「二百十日(にひゃくとおか)」だけではなく「二百二十日(にひゃくはつか)」説も?。実
は、台風が多いのは“立春から220日目”だという説もあります。例えば、2019年9月に千葉を襲った台風15号のよ
うに、立春から220日目付近に台風が発生した例もあります。つまり、「二百二十日(にひゃくはつか)」付近までは、ま
だまだ台風のトップシーズンとなっているため、引き続き注意が必要です。ゲリラ豪雨とは違い、台風は必ず事前に備え
ることができるので、皆さんも時間に余裕があるうちに、ぜひ対策をお願いします。
中国、そして日本では昔、月の満ち欠けによって1年を決める太陰暦が暦として採用されていましたが、月は29.5日
周期で新月と満月を繰り返すため、1年で11日ほど差が生じてしまいます。(現在使用されている太陽暦と比べた場合
)そのため、2年、3年と月日が重なるにつれ、暦と季節感にズレが生じてしまうのですが、このズレを修正するために作
られたのが二十四節気と七十二候になります。
二十四節気は、立春や夏至、秋分など聞き馴染みのある方も多い、季節の名称です。しかし、二十四節気が作られた
のが中国のため、日本ではそもそもの気候などが異なり、季節感が正確にわかるわけではありませんでした。そして、
二十四節気を補う形で作られたのが雑節です。
雑節は二十四節気とは異なり、日本で作られたもののため、日本独自の気候や季節に合わせることができ、ズレをよ
り細かく修正することができます。そもそも、なぜこのようなことが必要だったかと言うと、昔は農業に従事している人が
多かったため、季節を知ることは農作業の目安になるからです。種まきや田植えの時期、収穫の時期などを見極める
には季節を先読みする必要がありますよね。それが暦だけでは十分ではなかったことから、二十四節気よりも細かく季
節を分けた七十二候や雑節が、季節を知るために大いに役立ったといわれています。
風習
台風で成長した稲や農作物を倒されないように、風を鎮めるための風祭りが日本各地に風習として残っています。中
でも、日本海側の強い風が吹くことが多い富山県では、「おわら風の盆」は全国的に有名な風祭りの一つです。豊作祈
願に盆踊りが合わさり、編み笠をかぶった男女が「越中おわら節」に合わせて街中を踊り歩きます。これには、風の神
である風神を踊りながら、外へ追いやってしまおうという意味があるそうです。
また、奈良県生駒郡にある龍田神社では、日本最古である風鎮大祭が行われます。風鎮大祭は、日本書記にも記さ
れており、それによると675年にはすでに行われていたとされています。現在も、午前中に神事が行われ、午後からは
居合剣詩舞道奉納、風神太鼓奉納、河内音頭など、数多くのイベントが開催されています。この他にも、中部や北陸で
は、鎌が風による災害を鎮めてくれると考えられており、屋根や軒先に鎌を吊るしたり、竹竿に鎌をつけて立てかけたり
しているようです。
防災の日
日本は地震が多い国として知られていますが、近年は地震以外にも猛暑や大雨・洪水などの自然災害が増えていま
すよね。そのため、日ごろから避難経路を確認したり、防災グッズを購入する人が増え、防災の意識が高まっていると
いわれています。
昭和35年(1960)には、関東大震災に由来した防災の日が内閣の閣議了解によって制定され、以後9月1日は日
ごろより一層、防災の意識が高くなる日となっています。また、1982年からは9月1日の防災の日を含む一週間(8月3
0日から9月5日)を防災週間と定め、全国各地で様々な催し物やイベントが開かれています。偶然とはいえ、二百十日
も9月1日前後になることが多いことから、台風や大雨などの災害に十分注意をし、今一度この時期には災害への備え
を再確認してみてはいかがでしょうか。
二百十日、二百二十日は雑節の一つで、それぞれが立春から210日目、220日目となっています。この時期は、台
風が多いことから、農業に従事する人にとっては厄日とされていて、この他に八朔も合わせて三大厄日と呼ばれていま
した。なお、それは今現在でも、二百十日は9月1日の防災の日と重なる部分もあり、災害への備えを改めて確認する
重要な日と位置付けられています。
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