7月の活動状況
平成30年(2018)


















◎七夕
 旧暦の7月7日の夜に行われる行事。星祭りとも呼ばれる、五節句の1つです。中国に古くから伝わる、牽牛星
(けんぎゅうせい・わし座のアルタイル)、織女星(しょくじょせい・こと座のベガ)の伝説に基づいた星祭りの説話と
日本古来の農耕儀礼や祖霊信仰と結びついたといわれています。※月遅れの8月7日に行う地方もあります。
 
 現在は7日の夜の行事になっていますが、本来は6日の夜に、短冊をつけた笹竹を軒下に飾り、7日の朝に川
に流します。※環境に配慮し、海や川に流すのはやめ、それぞれの地域の規則に従いましょう。お焚き上げをして
くださる神社もありますので、ご近所の神社に尋ねてみてください。

 願い事を短冊を書いて笹竹に吊るす風習がありますが、これは、竹竿に糸をかけて裁縫や習字の上達を星に
祈るとかなえられるという、中国の乞巧奠(きつこうでん)の習わしからきているようです。平安貴族たちが、これを
まねて、梶の葉に歌を書いたのが始まりです。

 江戸幕府は七夕を五節句の一つとし、幕府の式日と定めました。大奥では、瓜・桃・菓子などを白木の台に盛り
、その四隅に笹竹を立て、詩歌を書いた短冊や色紙を結びつけました。それが一般の人々の風習として広まり、
文筆や針仕事の上達を願いを書くようになったようです。

◎お盆
 正式には盂蘭盆会(うらぼんえ)と言い、夏に祖先の霊を祀る行事。元々は旧暦の7月15日を中心としたもの
だったのですが、現在は月遅れにあたる8月15日が一般的になっています。お盆には、先祖や亡くなった人達の
精霊が道に迷わず帰って来ることができるように、13日の夕刻に盆提灯を灯し、庭先に迎え火として麻幹(おが
ら)を焚きます。14、15日は精霊は家にとどまり、16日の夜帰って行きます。今度は送り火を焚き、霊を送り出
します。京都の大文字焼きはご存知だと思いますが、 これは正式には「五山の送り火」といいます。これも、お迎
えした先祖の霊をお送りする送り火です。
 現在行われているお盆は、本来の盂蘭盆会(うらぼんえ)と日本古来の五穀豊穣を祝う収穫祭、水紙祭などが
合わさったものだと考えられています。

◎土用
 土旺用事(どおうようじ)の略。 土用というと夏を思い浮かべる方も多いと思いますが、土用は各季節にありま
す。陰陽五行説で、春・夏・秋・冬をそれぞれ木・火・金・水とし、(余った?)土を各季節の終わりの18日間に当て
はめたことから、立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間を土用といいます。
 次の季節へ移る前の調整期間といったところでしょうか。一般的には立秋前の18日間の夏土用をさします。こ
の期間を暑中と呼び、暑中見舞いを出す時期でもあります。また、夏土用に入って3日目が晴れれば豊作、雨が降
れば凶作といわれています。この豊凶占いのことを「土用三郎(どようさぶろう)」といいます。
 2018年は
冬土用:1月17日~2月3日 (太陽黄径297度)
春土用:4月17日~5月4日 (太陽黄径27度)
夏土用:7月20日~8月6日 (太陽黄径117度)
秋土用:10月20日~11月6日 (太陽黄径207度)、最初の日を「土用入り」最後の日を「土用明け」といいます。

※土用の丑の日
 夏の土用は、1年の中で最も暑さが厳しいとされる時期にあたるため、江戸時代にはこの期間の丑の日を「土
用の丑の日」と重視し、柿の葉などの薬草を入れたお風呂に入ったり(丑湯)、お灸をすえたり(土用灸)すると夏
バテや病気回復などに効き目があるとされていました。年によっては、土用の期間に丑の日が2回訪れることもあ
ります。この2回目の丑の日を「二の丑」といいます。2018年は7月20日。二の丑は8月1日です。

※うなぎ
 7月の土用の丑の日にうなぎを食べると夏バテをしないといわれています。実はこの風習、江戸時代の万能学
者であり、発明家でもある平賀源内が仕掛けたものだったんです。知り合いのうなぎ屋さんが夏はうなぎが売れな
いと困っていたのを見て、店の前に「土用丑の日、うなぎの日」という貼り紙をしたのです。これが大当たりして、土
用の丑の日にうなぎを食べる風習となりました。元々この日に「う」のつくものを食べると病気にならないという言い
伝えがありましたので「う」のつく食べ物=「うなぎ」として定着したのでしょう。栄養たっぷりのうなぎを食べて、夏バ
テを吹き飛ばしましょう。

※土用の虫干し・土用干し
 夏土用の時期に、カビや虫の害から守るため、衣類や書物に風を通して陰干することを土用の虫干しといいます
。また、この期間は田んぼに水を入れず、土をひび割れ状態にします。これは雑菌の繁殖を抑える効果があり、
根がしっかりと張るんだそうです。梅干しの天日干しもこの時期です。

※土用にしてはいけないこと
 土を犯してはいけない(土を掘り起こしてはいけない)。土用の期間は、土を司る土公神(どくしん・どくじん)とい
う神様が支配するといわれ、土を動かしてはいけないとされてきました。今でも、家などを建築する際、土を掘り起
こしたりする基礎工事などは土用の期間をはずす方が多いようです。土用は季節の変わり目ですから、農作業で
体調を崩さないようにとの戒めもあると思われます。