菜種梅雨
皆さんは、菜種梅雨(なたねづゆ)ということばを耳にした事はありますか?。菜種ということば自体は、菜の花の
咲く時期、梅雨といえば6月ぐらいを想像しますが、実は春にも梅雨というものがあります。梅雨といえば6月ぐらい
を想像しますが、実は春にも梅雨というものがあります。
菜種梅雨の意味は、菜種梅雨という言葉を分解すると、菜種とあり菜の花が咲く頃に降る雨である。梅雨とは連
続的な降雨のこと。
菜種梅雨は、冬の間に日本列島を覆っていた高気圧が北上し、日本列島の南岸沿いに前線が停滞するために現
れるものです。そのため、菜種梅雨は関東より西に起こりますが、東北地方ではほとんど起こりません。
また、菜種梅雨は梅雨なのですっきりしない天気が何日も続くことが多いものの、毎日が雨だったり集中豪雨があ
ったりというのは比較的少ないという傾向があります。どんよりとした天気がしばらく続き、時としてシトシトと雨が降
る。それが菜種梅雨の特徴です。
菜種梅雨には別の呼び方もいくつかあるようです。
◎「春の長雨」は、その字のとおりの意味でしょう。
◎「催花雨(さいかう)」は、花が咲く時節の雨なので「花を催す雨」から「催花雨」の字が与えられたと考えられていま
す。
また、「催」の字の読み方が菜の花の「菜」に変わって、さらに「菜種梅雨」に変わったという説もあります。この説
に従えば、催花雨が先で、菜種梅雨は後に生まれた言葉ということになります。
◎「春霖(しゅんりん)」の「霖」の字は一文字で長雨を意味します。「春霖」とは春の長雨そのものを意味しています。
日本語には、趣のある言い回しがたくさんあります。「花の雨」は桜に降りそそぐ雨のことを「花曇」は、桜の季節で
の薄曇りの天気のことを「花冷え」は、桜が咲く頃に寒さがぶり返すことを言います。花と天気を結びつける表現は多
数あり、これらの言葉は菜種梅雨と同じで季語となっています。
「菜種梅雨」は、かつては限られた人種、俳人などが使う専門用語でしたが、次第に一般人に、例えば天気に左右
されやすい職業の人たちにも使われるようになり、それから更に日常的なものになっていきました。昔の人の風流な
感覚には、まったく関心してしまいます。 |