墨田の町会・自治会



 町会、自治会は一番小さな単位の自治体として大きな役割を担っていますが、あくまでも任意団体という位置づけで、町の方々の善意とボランティアで運営されています。その運営費は町会費、自治会費として1ヶ月分、平均1世帯あたり300〜400円と、区役所からの年間1町会に55,000円の基金と加入世帯数に応じた助成金がコミュニティ活動助成金として交付されている。

 町会、自治会活動の目的は地域内の親睦交流、相互扶助にあり、その端的な例は年に一度の祭礼と葬儀で、どの町会、自治会もその運営には直接、間接を問わず大きなエネルギーを費やしています。

 特に、お祭りは町を上げて最大のイベントで、下町のお祭りは、転入者には、ちょっとしたカルチャーショックを受けるでしょう。町が一つにまとまり、縁日や盆踊り、町内の公園広場での数々のイベントは地域のコミュニケーションには欠かせない長い伝統です。

 町会員宅の葬儀のお世話も協力をして助け合いの互助の絆も生きています。その他に町会、自治会には交通・防犯・保健衛生・防災・環境・広報に携わり、子供会、学校、PTAとも関係し、広報誌の発行、婦人部の公園等掃除、老人クラブなどの活動の一端を担い、行政と町をつなぐ各種回覧板(区役所、警察、消防、保健、郵便局)の各種回覧板の配布や地域の親睦と活性化だけにとどまらず、民生委員や保護司、小学校の児童委員や中学校の育成委員の推薦など、町内だけではなく、よりよい墨田のために広く活動をしています。

 区内の町会、自治会の加入率は平均して74.8%。100%加入は文花団地自治会の1600世帯と宮田町会(文花・京島)の600世帯、文花親交町会の120世帯。つぎに加入率の高い地域は「千歳」「堤通」の87%。「向島」の85%で低めの地域は「緑」の51%で「江東橋」の57%です。加入世帯数の地域格差の要因は何に原因しているのか?。

 残念ながら墨田区が一つの連合町会としては、まとまっておらず東京都町会連合会に未加盟の3区(千代田区、大田区、墨田区)の内の一つです。向島地域の町会・自治会46団体が加盟する総連合町会が一つとおおよそ各町会と団地やマンションの集合住宅を中心に22の自治会があります。本所と向島と大きく地形や諸条件が異なっていることも「墨田区連合町会」を作ることを難しくいる。平時には、その必要性を認識しない方も、まさかの時には地域の連帯こそが何よりも心強く、不可欠のことと感じられるはずです。昔から「向こう三軒両隣」「遠くの親戚より近くの他人」ともいわれるように、困った時、緊急時には近所の連帯ほど有難く心強いことはない。

 町会、自治会に関わる役員は大半が男性ですが、どこの町会、自治会にも日々の活動・コミュニケーショに女性の姿が徐々に増えて、地域の人間関係の希薄化が増えるなかで地域に積極的に貢献し、頑張る女性陣には大変心強い。白鬚東水神自治会には初(2004年)の女性自治会長も誕生しています。

 課題

役員の高齢化(60代以上の役員の比率が70.3%)
役員のなり手がいない(自営業者の減少等)
無関心層の増加(未加入、行事への不参加、非協力等)
未加入世帯対策(特に賃貸マンション居住者)
マンション(特にワンルームマンション)対策

 同じ地域で生きる連帯として、老若男女、国籍も関係なく、これからの時代の縮図、理想に向かって突き進む町会、自治会で在ってほしい。